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コラム

コンチママが語る、白い部屋のショーの魅力とは。

新宿2丁目、白い部屋です。

白い部屋は1968年にオープンした老舗のニューハーフショーパブです。
白い部屋名物のニューハーフショーは毎日2回行います。
歌って、踊って、コントして。30分間ノンストップで息をつく暇もありません。
3ヵ月に1度新しいショーになるので、飽きることなく楽しんでいただけます。

白い部屋でしか見ることのできないこの圧巻のパフォ―マンスは、一体どのような考えに基づいて作られているのか?
今回は代表のコンチママにインタビューを行い、白い部屋のショーの魅力についてたっぷりと語っていただきました。

ショーを行う上で心掛けていることって何ですか?

狭いお店なので、いかにお客さんとの接点を持つか気を付けています。
お客様の目を見ながら踊ること。
お客様と会話しているような状態で踊って欲しいと、キャストには話しているんです。

「会話しているように踊る」って珍しい表現ですよね?

人間は目を見て話すじゃないですか。
言葉に出さなくても相手に伝わる、そういう表現をしてしてほしい。
楽しいということを伝えたいんです。お客様も楽しんで、私たちも楽しんで。
「一緒に楽しんで遊びましょうね!」という気持ちでやっています。

白い部屋のショーは3ヵ月に一回プログラムが変わりますよね。
内容はどうやって考えていますか?

振付の先生といろんな話をして、マンネリ化しないように工夫していますね。
先生を二人にして、新しい空気を入れるようにしています。
ショーをずっと考えていると、どうしてもキャストの子にパターンができてくるんですね。
「この子にはこういういい面があるからこれを伸ばしましょう」とか、「この子はこれは無理だからやめておきましょう」だとか。でもそういう固定観念を取っていかなければ絶対伸びていかないよね、と。できないことをさせることもその子のためにいいんじゃないかということで、新たな挑戦をさせているところです。

振付師の安河内ゆう子先生

 

私は自分がお客様になったつもりで、観客の立場で見るんですね。
「ここはつまんない」、「ここは良くないな」とか、その意見を振付の先生に伝えます。
振付の先生は目いっぱい振り付けて、自分のやりたいことを出していくじゃないですか。私は「そこじゃないよ」と、「お客様はこういうところが見たいんじゃない」と提案するんですよ。

振付の先生はプロの目線で、コンチママはお客様の目線で見るんですね。

そうです。そこは絶対、先生にはっきり言ってるんですよ。
先生も私の意見を取り入れてくれます。
「それをやったらおかしいんじゃない」とぶつかる時もありますよ。
でも、「それでやってください」と通すこともあります。

見せるものを中心にキャストを当てていくというよりも、その子のいいところを出すという観点もあるんですね。

そうです。長いこと踊っているとね、その子の良さ、悪さはすごくよくわかるんですよ。
そこで「ああ、あの子はこれは無理だわ」とこっちが決めてしまうことがあるんですね。
まあだいたいそれで当たってるんだけどね(笑)。
やらせたらだいたい失敗するんだけど、でも失敗を恐れてたらね。
だからウケないこともありますよ。でもそれでもやっていかないと、伸びないんでね。

リハーサル時の様子。キャストの表情は真剣そのもの。

 

50年の歴史のある白い部屋ですが、ショーは最初からやっていたんですか?

最初は2丁目の中でやってたんです。LGBTでいうG、ゲイですよ。
化粧もしないで、男の格好で踊ってました。それが45年くらい前ですね。
化粧も衣装も一切なしで、当て振りでした。
替え歌を歌いながら当て振りで踊ってたんです。
最近はみんなやってますけど、昔はそれを自分たちで考えてやっていました。

今のスタイルになったのは?

自分たちの考えが及ばなくなって先生を入れたのが33年くらい前です。
今までで200本近くやっていますね。
その頃は性転換をしている子が少なかったんですよ。
おっぱいもなくて、化粧をして綺麗に踊るという子が大半で。
性転換している子は一人ぐらいしかいませんでした。
だからショーの作り方も違ってくるでしょう。今はもうおっぱいがついて下半身もなくてという子の方が大半じゃないですか。前は綺麗な子が少ないから、どちらかというとコミカルな色合いが強かったですよね。

ショーを作る上で大事なことは?

私は衣装を海外に買いに行くのでも、通訳をつけるので言語を覚えないんですね。
人に任せてしまうと自分で考えることをやめてしまうんです。携帯電話とかカーナビもそうですよね。だからうちのショーは、自分たちで考えることをやめてはいけないと思っています。

衣装もリハーサル時に細かい修正を加える

話は変わるんですけど、4/4のおかまの日、これは白い部屋で作ったんです。
3/3は女の子の節句、5/5は男の子の節句。真ん中をとって4/4はおかまの日にしましょうというのは私の発案なんです。白い部屋からだったの。
その時、4/4に派手なお化粧をしました。それがきっかけで化粧をするようになりました。それまでは化粧しなかったのよ。
4/4はおばけの日と言っていわゆるおかまの日で、派手な化粧をしてお店をやったことを覚えていますよ。もう42年くらい前の話です。

ショーはこれからどう変化させていきますか?

海外へ振付の先生と衣装を仕入れに行くんですけど、打合せしながら探すんです。
「やりたいことがある」、「これは難しいよね」などショーを考えながら探します。
その中で温めているネタが1本あります。失敗してもいいからそれをやりたいね、と話しています。常にそういうものがありますよ。

どういうところから着想を得るんですか?

youtubeを観たりテレビを観たり、観劇に行ったり大衆演劇を観たり。いろんなところから情報を集めて、こちらで同じことはできないから脚色して、というのがパターンですね。

エンターテイメントに触れることをやめちゃダメなんですね。

そうです、絶対行かなきゃダメです。
だから正直くだらないものも見に行って、「こういうことだからくだらないのか」というのもわかる必要があります。一流のいいものばっかりではなくて悪いところも見ておかないとね。だから絶えず何かしら行っています。
バレエや歌舞伎、オペラに行ったり。好きじゃないジャンルも含めて触れていかないといけません。触れていかないとね、いろんなものにね。

キャストにも行かせるようにしているんですか?

行かせたいと思って言うんだけれど、なかなか興味がないと行かないよね。
働いてる立場と経営の立場って違うでしょう(笑)。
良かれと思って言うことが押し付けられてるって思うと、行っても苦痛でしょう。
だから出来る限りあんまり言わないようにしています。
まして今の20代の子なんて、ほんとに違うからね。

白い部屋のショーはどうやってクオリティを保っているんですか?

やっぱり本音で話してくれる人は周りに必要ですよね。
私もこの年齢になって、誰も叱咤激励してくれないわけじゃないですか。おべんちゃらしか言われないわけじゃないですか。
本当に怒ってくれる人、自分が間違っていることをズバッと言ってくれる人がいないのは寂しいよね。

誰かの意見も欲しいですよね。

「ここは良くないよ」と言われて、相手が間違っていれば私は大丈夫と思うけれど、それをズバッと言ってくれる人がいるとやっぱり嬉しいですよね。
前は亡くなられたママがズバッと言ってくれたんです。
あの子が大阪にいる頃からずっと友達で、東京に遊びに来てうちで働くようになって。そうこうしているうちにママになってもらったんです。
友達だから、絶えず心配だから「あんたそこ違うわよ」、「もういいかげんこうしていかなきゃダメよ」とかいろいろ言うじゃないですか。私生活も「お金貯めろお金貯めろ」とかね。それはそれで良さがあったと思うし。
その子が一回だけ、一言「コンチそこは違うと思うよ」、「店の子の立場だとこうだと思うんだけど」と言われたときに、「あ、そうだよね」と素直に思ったの。
それはすっごく嬉しかったね。言われたことが。友達っていいなと思った。
でもやっぱり時間が経つと社長と従業員の関係になるからね。
社長には言いにくいと思うけど、言ってもらえると嬉しいよね。

白い部屋に経営者のお客様が沢山いらっしゃるのって、そういう理由があるのかもしれないですよね。

そうね。本音は大切だよね。おべんちゃらなんて所詮ね。
褒められても褒められても全然つまんないから。

白い部屋のショーがお客様に届けたいものは?

それぞれお客様によってショーの受け止め方は違って。
日頃の嫌な鬱憤を晴らしにくるところでもあるだろうし、傷ついて来て、良かったな、楽しいな、また明日から頑張ろうと勇気を少し与えられればいいなと思っています。
とりあえず楽しいことですよ!一番は。

幅広い年齢層のお客様がいらっしゃいますもんね。

20代から70代までいらっしゃいますからね。
それこそびっくりするような有名な方まで、いろんな方がいらっしゃいます。
それも会話を合わせていかなければならないじゃないですか。
でも、どんな方でも楽しみたいし、寂しいという気持ちは持ってますからね(笑)。

 

白い部屋のショーの魅力の根底には、「お客様に楽しんでいただきたい」という開店当初から変わらぬコンチママの熱い想いがありました。50年の歴史ある白い部屋で、世界に誇る2丁目ニューハーフショーを是非お楽しみください!